会社設立に強い司法書士事務所代表の、木村です!
会社設立の際には必要書類の提出が求められます。
必要書類がそろっていない・書類に不備がある場合にはやり直しが必要となってしまうので手間になってしまいます。一度の手続きで会社設立が完了するように、書類の準備には注意が必要です。
この記事では、会社設立登記の流れや必要書類、会社設立登記にあたってかかる費用などについて解説します。会社形態にはいくつかの種類がありますが、今回は株式会社について取り上げました。
会社設立登記を検討している人はぜひお読みください。
会社設立登記までの流れ
まずは会社設立登記までの流れを解説します。株式会社を設立する場合には、以下のような手順が必要です。
①商号や役員報酬額・資本金額等、会社に関する基本的な事項を決める
②会社運営の決まりやルールを定めた文書である「定款」を作成する
③公的書類への押印に使用する代表者印を作成する
④発起人の個人口座へ資本金の払い込みをおこなう
⑤登記の必要書類を揃える
⑥法務局へ登記申請に行く
登記申請が無事に済めば会社の設立手続きは完了です。
ただし、その後にも税務署や役所への書類提出など必要手続きは残っているので、会社が運営できる状態になるまでには少々時間がかかります。
それでは、今回は「⑤登記の必要書類を揃える」の部分について具体的に取り上げています。
法務局での会社設立登記に必要な書類一覧
法務局で会社設立登記申請をする際に必要な書類は以下のとおりです。スムーズな手続きを進めるためにも、不備や不足がないよう注意して揃えましょう。(※当事務所にご依頼いただく場合は全て代理で作成致します。)
定款
定款とは会社運営の決まりやルールを定めた文書です。
記載する事項にはいくつかの区分がありますが、そのうち「絶対的記載事項」は定款に必ず記載が必要です。絶対的記載事項とは「事業の目的」「会社の商号」「本店所在地」「資本金の額」「発起人の氏名・住所」の内容です。
絶対的記載事項に不足がある場合、定款が認められないため注意しましょう。
また、「発行可能株式総数」もこの段階で決めておくと後が楽になります。認証を受ける定款には記載されていなくても問題ありませんが、会社法37条において、設立登記段階までに定款に定めておくよう決められています。手間を減らすためにも、可能であれば発行可能株式総数についても記載しておくべきです。
そのほかにも「相対的記載事項」「任意的記載事項」と呼ばれる事項があります。これらは必要に応じて制定するようにしましょう。
設立登記申請書
会社を設立することを申請する用紙です。法務局の公式サイトからPDFをダウンロードできるのでそちらを使用しましょう。「商号」「本店所在地」「登録免許税の額」「資本金の額」「添付書類の一覧」など必要事項の記載をします。
なお、こちらには後に紹介する「印鑑届出書」と同じ代表者印の押印が必要です。
印鑑届出書
会社を運営するうえで使用する印鑑は届出が必要ですので、手順③で作った代表者印を実印として届け出ます。印鑑届出書も法務局のホームページからダウンロードが可能なため、そちらを利用します。
代表者印は法人の口座開設や税務署への書類届出など、多くの公的な場面で必要です。
登録免許税納付用台紙
登記申請には登録免許税が必要です。登録免許税の具体的な金額ですが、株式会社の場合は資本金の0.7パーセントの額または15万円のいずれか低い金額となります。
収入印紙をそのままの状態で提出することはできないので、必要金額分の収入印紙を用意して指定の登録免許税納付用台紙に貼り付ける必要があります。こちらの用紙についても、インターネットでPDFのダウンロードが可能です。
取締役の就任承諾書
取締役への就任を承諾したことを証明する書類です。
「日付」「取締役の住所・氏名」「会社名」「取締役の押印および捨印」が必須事項であり、内容に漏れや誤りがあると受理されませんので注意しましょう。
代表取締役の就任承諾書
取締役が複数人いて代表取締役と分かれている場合には、代表取締役の就任承諾書が必要です。取締役と代表取締役を兼任している場合には必要ありません。
取締役の就任承諾書と内容に大きな違いはありませんので、こちらも必須事項を正しく記載します。
資本金の払い込み証明書類
資本金の払い込みが完了していることを証明する書類が必要です。こちらは特に決まった様式はありませんので、必要事項を記載したものをWord等で作成します。
必要項目は以下のとおりです。
- 払込があった金額の総額
- 払込があった株数
- 1株の払込金額
- 日付
- 本店所在地
- 会社名(商号)
- 代表取締役氏名
資本金の払い込みに使用した口座の通帳から、資本金の払い込みが確認できる記帳欄・表紙・個人情報欄の3つをコピーし、払込証明書と併せて提出します。このとき、振込人の名前が発起人本人のものであることを念のために確認しておきましょう。
なお、ネットバンキングだと必要情報が確認できるページを正確にコピーするのが難しいため、資本金は紙の通帳がある口座へ払い込みをしましょう。
登記事項を保存したCD-RかFDもしくは書面
商号や事業目的・役員など登記事項を保存したCD-RかFDが必要です。
書面での提出も可能ですが、該当の用紙はネットでダウンロードできず法務局へ取りに行かなければならないため、電磁的記録媒体に記録するほうが容易です。
会社設立登記にかかる費用
会社設立登記にかかる費用について解説します。こちらについても株式会社を例に挙げています。
費用がかかるポイントとその金額は以下のとおりです。
定款認証代
会社設立登記には定款が必要ですが、定款の認証には費用が発生します。
株式会社の場合にかかる定款認証代は
- 公証人手数料 50,000円
- 謄本 登記申請用1冊保管用1冊の計2冊 合計2,000円
- 印紙代 40,000円
- 合計・・・92,000円
合計92,000円です。
ただしこれは紙で認証する場合の費用であり、電子認証をおこなう場合には印紙代が発生しないため52,000円となります。
費用を抑えるのであれば定款を電子認証にするのもひとつの手でしょう。ただし、署名可能なPDF作成ソフトやICカードリーダー・電子証明書などが必要ですので、どちらが自社に適しているかを検討するべきです。
登録免許税
登録免許税については既に解説しましたが、こちらでも改めて触れたいと思います。
株式会社の設立登記申請に必要な登録免許税の額は最低で150,000円です。資本金の1,000分の7が150,000円を上回る場合は、その金額を登録免許税として支払う必要があります。
必要となる登録免許税の金額分の収入印紙を揃え、登録免許税納付用台紙に貼り付けて提出しましょう。
司法書士への報酬
もし会社設立登記を司法書士へ依頼するのであれば、司法書士への報酬も必要です。当司法書士事務所では、88,000円で設立登記申請を承ります。
もちろん、費用を抑えることを最優先にするのであれば自分で設立登記をするのが一番です。しかし、手間や時間の削減やミスによる再提出などを防ぐのであれば、経験やノウハウが豊富な専門家へ依頼することも検討しましょう。
また、合同会社の設立費用は、株式会社に比べると安くなります。詳しくは以下記事をご覧ください。
まとめ
会社設立登記にはさまざまな書類が必要となります。見慣れない書類が多く手間取るかもしれませんが、どれも大切な書類のため注意して作成しなければなりません。
ポイントを押さえて会社設立登記を進めていきます。
会社設立登記に関するご相談や手続代行のご依頼があれば、ぜひ当司法書士事務所へご相談ください。当事務所の場合は、会社設立はもちろん、会社設立後の資金調達から税務相談、集客までワンストップでサポートさせて頂きます。